スティーブ・ジョブズ(について追加記事・GQインタビューを読みました)
GQを読みました。
(いろんな事情と気持ちにより記載削除)
GQ JAPAN(ジーキュージャパン) 2016年 03 月号 [雑誌]
- 作者: コンデナスト・ジャパン
- 出版社/メーカー: コンデナスト・ジャパン
- 発売日: 2016/01/23
- メディア: 雑誌
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2月頭に友人と京都旅行してきたのですが、その帰りにスーツケースごろごろしながら有隣堂に買いに行った思い出。ジョブズを見てからインタビュー読もうと思い置いていました。「スティーブ・ジョブズ」はパンフも文字の量多くてハッピーで、GQのインタビュー内容もおもしろかった。そのためGQの内容と映画のネタバレ感想を追記で置いておきます。
!ネタバレあり!
にしてもファスベンダーは本当に働きづめですね。倒れんか心配になる(勝手に)。GQのインタビュー「新作撮り終えてサーフィンで遊んでたらジョブズの話が来て休暇がおわった」って…休んでね(勝手に)。先の感想記事でもふれたこと、やっぱり本人やまわりも思ったよねぇということがGQインタビューに。「クリスチャン・ベールのほうがジョブズに似ている、ファスベンダーは似ていない」というあれです。しかしこの記事で謳われているようにファスベンダーは「最高のパフォーマンス」をしておりました。ありがたいありがたい。この記事では、
「伝記映画では、たいてい物語よりも物まねの出来不出来を重視する。」
とファスベンダーが言っていて、しかしファスベンダーも監督ダニー・ボイルもそういうことはしないとなったと。それ読んですとーんと納得しました。だからなのかぁ。だからこの映画は成功しているのだ。先の感想記事でもふれた、見る前の私の不安というのは「伝記映画」に対するものだったんですね。監督のカラーにしても、ファスベンダーが演じるということにしても。でもこのひとたちがつくろうとし、そしてつくったものは、往来の伝記映画ではなくまったく新しい伝記映画、っていうか伝記という言葉はもとよりふさわしくなかったんだな。私が多大なる勘違いをしておりました、失礼しました。ある伝説の人物をまったく新しい切り口から魅せていった映画で、ある意味ではファンタジー映画であり、ある意味では友情・家族映画であり、ある意味では会話劇という名のアクション映画である。GQでは脚本のアーロン・ソーキンについてもふれていて、彼は「伝記映画ではない」とはっきり言っていたんですね。
「ソーシャルネットワークでマーク・ザッカーバーグの人生を虚構としてかたちづくることを恐れなかった」
と評されており、たしかにあれを思い返すと物凄く納得するというか、さらなる高みにアーロン・ソーキンはステップアップしたのだなぁ。この映画がなぜこんなに魅力的で、きもちよく見られるのか。伝説の人物を過剰なまでに美化しているという印象もそこまでなく(まぁ美化はされているのだろうけれど)、どちらかというと伝説の人物がただのひとりの人間であることに過剰なまでに重きをおいているから。それでいてこの男が非凡であることもファスベンダーの演技ではっきりと理解できる。スティーブ・ジョブズという男の中核や変化を示すにあたり、よけいなものを削ぎ落とした映画であるんですね。はじめに見たときに、なぜプレゼンテーションの場面をやらないんだ?と思ったんですよね。ファスベンダーの演技でどう魅せるのか見てみたかったので、最後の最後でやるかなぁと思ったらやらなくて、あれ!?と思ったんですが、重要かつこの映画のテーマはそこではなくて舞台に立ち称賛を浴びる男の「そこに至るまでの話」、つまり世間が見られる舞台上のスティーブ・ジョブズという「伝説の人物」ではなく舞台裏の「ただのひとりの人間」であると。いや本当にいまさらですまない。言い忘れましたが私は咀嚼能力がかなり劣っていると思うのでこういうことに気づくのが遅いです。たしかに「ソーシャルネットワーク」のラストもそうだったわ。ただのひとりの人間なんだなぁと思ったわ。マジですまんかった。
しかし「出来損ない」でも友人や娘にまともな対応ができなくとも、圧倒的なカリスマがあることがひたすら伝わってくるんだよなぁ。この映画のジョブズはかなり等身大で、見ているひとによってはむかついたりいらいらしたりするのかなぁと思ったんですが私はぜんぜんしなかったというか、むしろいとしくてたまらなかったです。ウォズが「友」であることはこんなことを言っても何をしても彼には変わらないし、スカリーやジョアンナの前でふと見せる本音やよわさは彼の真実であるし、娘へのやりきれないもてあますような愛情の示しかたは娘の成長とともに変化していくし、そのすべて矛盾したり正気じゃなかったり最低であったりしてもひっくるめていとしいと思ってしまった。この映画の主人公についてはそう思いました。
さて、最後に話が変わりますが、今年もアカデミー賞の季節がやってまいりました。毎年アカデミー賞をわくわく見ているのですが(アカデミー賞がすべてではないし最高峰の賞であるとは思っていないけれど、楽しい楽しいお祭りであるし、賞をもらいよろこんでいるひとたちを見ることがだいすきなのです)ファスベンダーがノミネートされていますね。ケイト・ウィンスレットも。そのふたつだけだったかな。ファスベンダーが主演男優賞とったらそれはそれで超うれしいんですが、まぁ誰がとってもうれしいよ。しかしノミネート納得のすばらしい演技でありました。演技だいうことを忘れるパフォーマンスは好き嫌いを超越して絶対的に胸に残りますね。発表を楽しみに待とう。
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